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小さな夢美術館 林 美紀子展 より

小さな夢美術館では
日本の女の芯の色 林 美紀子木版画展
を開催しております。

2013.7hayashi1  2013.7hayashi2

林美紀子さんについて少しご紹介をしようと思います。
新潟県新発田市生まれ。
1981年のシロタ画廊での個展をはじめ東京、名古屋、秋田、富山、福岡など、また日本のみならず、ドイツ、スペイン、アメリカ、ポーランド、ブラジルでのコンクールや展覧会に出展するという意欲的な日本女性です。
アメリカコネチカット、シルバーマインアートセンターやポートランドミュージアム、米国議会図書館に作品が収蔵されています。
国内では版画制作の傍ら、渋谷区立松涛美術館で木版画教室、町田市立国際版画美術館での木版画講座を持つなど版画の魅力を伝え続けています。

ここで注目したいのが、1985、1987年に銀座の現代画廊で個展を開いているということなのです。
「現代画廊」をご存知の方もいらっしゃると思いますが、1961年に洲之内徹氏が引き継ぎ、1968~1987までの約20年間、東京銀座に存在した画廊です。
洲之内徹氏は独自の審美眼で絵画を集め、画家を発掘し、世に送り出してきたコレクターであり、作家でもあった人です。小林英雄、白州正子に称えられた正当であり、一風変わった人でした。

その現代画廊で、1985年に林美紀子木版画展は開かれています。
そして、現代画廊が閉じる1987年1月30日~2月8日の間、林 美紀子木版画展は再び開かれました。

無論そのことについて、先日ご来館いただいた折、伺ってみたところ、存命のころの洲之内徹氏と会って度々いろんなお話をしましたということでした。

そのお話の詳細は次回作家紹介でいたします。

洲之内徹氏が眼にとめた木版画。
是非、作品を見にご来館くださいませ。

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テーマ : art・芸術・美術
ジャンル : 学問・文化・芸術

小さな夢美術館 展覧会より

小さな夢美術館では 「小作青史 幻想の版画展」 を開催しております。

小作青史という作家について、今回展示してあります「子どもの世界」という銅版画集にまつわるお話をご紹介させていただきます。

銅版画集「子どもの世界」は1974年に作られました。
制作に携っていらっしゃった小川正隆氏によると、小川氏が「フィレンツェ国際版画ビエンナーレ展」において展示されていた日本人の作品の中で小作氏の作品に、他の版画を蹴ちらすように旺盛な意欲に溢れ力動感に圧倒された旨を書いておられます。
小作氏本来の木版リトグラフによるダイナミック且つ怪奇な、幻想の版画であったに違いないと思います。

その出会いから、小作氏のまっしぐらに突き進むひたむきな制作にふれ、ある個展で未発表の小品に出会うことになったのです。その作品群を、小川氏がたくさんあった作品を三つのグループにまとめたものが、今回の「子どもの世界」となったというわけです。
三つのグループとは、「子どもの情景」「子どもの幻想」「子どもの本質」

ここに描かれる子どもたちは、小作氏自身の子どもであり、その成長を微笑ましく見つめる父親の視点と、ただ楽しいばかりではない淋しく、おびえる姿から垣間見えるもの、また天衣無縫なたくましさはこども独特のもの、こんな三つの視点から今回の銅版画を見ていただけたら、面白さも更に増すのではないでしょうか。

小作青史氏はドーミエに惹かれていたとあり、なるほどと頷くことができ、ドーミエの風刺に通じるものを感じずにはいられません。

小川氏はこう結んでいます。
「子どもの世界」を目の前にして自分の子供のために手づくりのアルバムをまとめてゆく父親としての愛情と、自分の幼い頃をなつかしみながら、同時に可能性をひめた子どもの本質を人間としてきびしく記録しようとする芸術家としての誠実さが渾然一体になっている様相を、ここに観る。

暑さが続いております。
美術館で涼やかに版画鑑賞をなさってはいかがでしょう。
ご来館をお待ち申し上げます。

プロフィール

yumebijutukan

Author:yumebijutukan
鳥取県米子市錦海町にある版画専門の個人美術館「小さな夢美術館」の情報ブログです。
展覧会情報、作家作品紹介、ギャラリートークなどをお知らせします。

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