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小さな夢美術館 美術館の旅 その13

小さな夢美術館 美術館の旅13回目は、「レオナール・フジタ展」を旅します。

藤田嗣治は、エコール・ド・パリの画家として活躍し、パリ画壇で最も人気のある画家の一人でした。

乳白色の肌を特色とする作品を鑑賞することは勿論のことですが、今回は楽しみが二つありました。

ひとつは、自画像と猫をテーマとした作品は小さな夢美術館「関野コレクション展」にも2点展示していますが、
その同じテーマの作品をみること。
確かに、代表作の「自画像」も見ごたえがあり、大きな作品の中に描かれる「猫」も存在感のあるものでした。

そしてもう一つは、「小さな職人たち」と題される小さな作品は夫人が大切に手元に置かれていたものです。
この作品たちが散逸せずポーラ美術館のコレクションに加わったことはとても嬉しいことです。

今展覧会は、前回の大回顧展以来の総数200点にものぼる大きなレオナール・フジタ展となっています。

小さな夢美術館にフジタ展の図録を置いておきましたので、ぜひご覧ください。

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「ポーラ美術館コレクションを中心に
        レオナール・フジタ 藤田嗣治 展」

Bunkamura ザ・ミュージアム(東京・渋谷)
2013/8/10~10/14(月・祝)
10~19時、 金・土曜日は21時まで開館

Bunkamuraホームページ:http//www.bunkamura.co.jp
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テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術

小さな夢美術館 美術館の旅 

小さな夢美術館 美術館の旅 第12回

引き続いての美術館探訪です。

堀井英男という画家をご存知でしょうか。

小さな夢美術館の開館間もない頃、堀井氏の展覧会をと企画しましたが実現できず幻の展覧会となりました。
経緯は館長亡きあとゆえわかりませんが、今も開催を夢みています。
彼の作品は当館にも収蔵されていて、出番を待っているところです。

そんな中、学芸員をしている長女がある美術館のチケットをくれました。
見ると「堀井英男の版画と水彩」と書いてありました。
心躍るようにチケット見つめていると、その美術館は夢美術館という名前であることに気づき、
再びの驚き。

早速、行ってまいりました。

八王子市夢美術館
―水から生まれる絵―堀井英男の版画と水彩
 
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と題された展覧会は、控えめに大規模な回顧展である旨が書かれていました。
堀井氏の出身地、茨城県近代美術館との共同企画展でした。

色彩銅版画で高く評価され、現代社会の人間像を幻想的、理知的に描いた作家であると説明されています。

大回顧展というだけあり、200点あまりの作品を展示してありました。

初期作品の鮮烈な色彩、中期、後期の味わい深い色合いにいたる作品が網羅されており、感嘆の声を抑えながらの鑑賞でした。
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そして最後の作品となる「幻花」
60歳という若さで逝ってしまわれたことは残念で仕方ありません。

この展覧会は5月6日までです。
お近くの方はぜひご覧ください。

八王子市夢美術館
 水から生まれる絵
  ―堀井英男の版画と水彩―
会期:~5月6日(月・祝)まで
会場:八王子市夢美術館(JR八王子駅北口から徒歩15分)

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小さな夢美術館 美術館の旅  

小さな夢美術館 美術館の旅 第11回

久々の美術館探訪です。

西洋絵画の殿堂からお送りする展覧会は、 「ラファエロ」展です。
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イタリア・ルネッサンスを代表する画家ラファエロ・サンツィオの展覧会が開催されています。

久しぶりの上野公園ですが、スターバックスやカフェも増え随分景色が変わりました。

ラファエロは2代巨匠、レオナルド・ダ・ビンチやミケランジェロを熱心に研究しバチカンの貴族にも人気があり、数々の作品を残しています。
肖像画も多く、代表作「大公の聖母」
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後世に「聖母の画家」と称される彼の優雅さと愛しみ溢れる作品です。

この展覧会でのもうひとつ印象深い作品に「自画像」がありました。
冒頭の展覧会の看板になっている作品です。

「大公の聖母」も「自画像」も背景の黒地が何とも云われぬほど深く、人物をその魅力と共に際立たせているような気がします。

是非上野へ足を運んでみてください。

会期:~6月2日(日)まで
会場:国立西洋美術館(東京・上野公園)
休館日:月曜日

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小さな美術館 美術館の旅その10

小さな夢美術館 久しぶりの美術館の旅です。
今回は東北 宮城県美術館へご案内いたします。

震災の傷跡も未だ残る杜の都仙台。
その中心部青葉城址ほど近くにありました。
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裏門駐車場から入ると巨大なオブジェ。
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野外作品を配置し、ゆっくり歩き鑑賞できる回遊式となっています。
アリスの庭と題する空間には、コケティッシュな作品群が・・・!
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そしてアリスのうさぎはとてもスマートでした。
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展覧会は東山魁夷展を開催中
でしたが、本日の目的は宮城県美術館に収蔵されています「洲ノ内コレクション」です。
洲ノ内といえば前館長が心惹かれてやまなかったそのコレクションの数々。
今回どんな作品が展示されているかワクワクの瞬間です。
残念ながら画像をお見せすることはできませんが、常設展というにはもったいないような充実したものでした。
長谷川燐二郎、古茂田守介、長谷川利行、松田正平、そして吉岡 憲と並ぶ空間は在りし日の銀座の画廊はこうであったのだなぁと想像できるだけでも嬉しい宮城でした。

最後に宮城出身の彫刻家佐藤忠良記念館は宮城県美術館の宝ものであるといえるものでした。
少しうつむいた女の子の愛らしさ、しなやかな女性のボディの美しさは中から湧き出る魂のような何かが語りかけてくるようでした。
ここには、佐藤氏のコレクションもあり、その審美眼に息をのむばかりです。
一周忌となる今年は生誕100年の年にあたるということでした。
ぜひ、佐藤忠良記念館は必見です。

宮城県美術館
 仙台市青葉区川内元支倉 34-1
TEL 022-221-2111~4
FAX 022-221-2115
http://www.pref.miyagi.jp/bijyutu/museum/

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小さな夢美術館 美術館の旅 その9

小さな夢美術館 美術館の旅 その9

東京の国立新美術館で開催中の「エルミタージュ美術館展」をご紹介いたします。
ロシアのサンクトペテルブルクにあるエルミタージュ美術館が所蔵する秀作の数々が来日しています。

ルネサンスからバロック、ロココと新古典派、ロマン派から印象派、そして20世紀のマティス、ピカソと多彩な作品を見せてくれます。

マティスの傑作「赤い部屋」は展覧会パンフレットにもなっています。
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ミッドタウンにある国立新美術館は実に賑わっていて、絵画は何故に人を惹きつけるのだろうか?
としばらく考え込んでしまいました。
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芸術は、自らの眼で見てこそ感動があるのかもしれないな、という結論に至った次第です。
本物を直に見ることでしか得ることのできないものがあるなら、迷わず見に行ってみませんか。

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美術館の旅 その8

小さな夢美術館はただ今、次回展示の準備に入っていますが、本日は久々の美術館の旅をお届けいたします。

東京は小雨模様の毎日です。
そんな中、東京で今開催されている、3つの展覧会に行ってきました。

最初にご紹介するのは「ボストン美術館 日本美術の至宝」展です。
海を渡ったまぼろしの国宝が里帰りをし公開となったわけです。

上野の東京国立博物館で開催されていますが、長蛇の列・・・。
日本の作品が海外の美術館に所蔵され、その作品が日本に帰り、私たちが見るという不思議。
なぜ、作品は海外に渡ったのか?
・・・まあ、その謎も展覧会で解明できるのですが、とても寂しい気もしました。

作品は狩野派、琳派から若冲まで、名刀、仏像、曼荼羅図、絵巻物とさまざまな日本を見ることができます。
圧巻は長谷川等伯筆の「龍虎図屏風」と、曽我蕭白「雲龍図」
とても力みなぎる迫力で描かれていました。

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ながーい列に並んでいる時ふとくもり空を見上げると、こんな光景に出合いました。
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今渦中のスカイツリーです。

東京だなあと感じた一瞬でした。

次回はロシアからやってきた「エルミタージュ美術館展」をお届けいたします。

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小さな夢美術館 美術館の旅

小さな夢美術館の美術館の旅を久々にお届けいたします。

今回は美術館に行くことより、クレーの絵が見たかったという旅でした。
桜の季節がおわり少し静かになった京都への旅です。

場所は平安神宮大鳥居横に位置する、京都国立近代美術館。
以前、「長谷川潔」の展覧会が開催され、興味深いメゾチントに感銘を受けたところです。
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その時の感動が何十年を経て、今回の「丹阿弥丹波子銅版画展 マニエール・ノワール~漆黒のメゾチント~」となったといえます。とても縁を感じる美術館です。

そこでは今、「パウル・クレー~おわらないアトリエ~」が開催されています。
今まで国内では多くのクレー展が開催されたように記憶していますが、今回の展覧会では少し視点を変えてクレーの作品制作プロセスに着目しているようです。
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作品はどのようにつくられたかを丁寧に見ることができました。
一つの作品の両面に描かれた絵、一つの作品を分割していくつかの作品ができあがったり、転写という方法を使っていたことも驚きでした。
クレーは生涯、作品の目録を作り続けたとも言われています。
制作年代、制作材料や技法までも記録してあるとありました。

自由自在に色を操っていただけではない、綿密な理論の元に描かれていたことにも納得できる構成となっています。
展示会場のデザインも建築事務所が携っているとも聞きました。

兎にも角にも美しい色彩を堪能できる展覧会でした。

最後に、コレクションの展示室もぜひご観覧されることをお勧めいたします。
なぜなら、長谷川潔氏の作品をたくさん見ることができるのです。
丹阿弥さんの原点ともいうべき作品群をみると、メゾチントの世界がどれくらい奥の深いものであるか改めて感じずにはいられません。

新緑の京都へおでかけになってはいかがでしょう。

京都国立近代美術館にて5月15日まで開催中
京都展のあと、東京国立近代美術館にて開催 5月31日~7月31日

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小さな夢美術館 美術館の旅 第6回

小さな夢美術館の美術館紀行となりそうな美術館の旅第6話となります。

前回の東京紀行の時、かねてから念願の画家の展覧会に行くことができました。
この旅のきっかけとなったともいえるものです。

場所は目黒駅から程近い白金高輪。
東京都庭園美術館で開催されている「有元利夫展 天空の音楽」と題された展覧会です。
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旧朝香宮邸ということで、表門から建物までの木立が瞬間の涼を届けてくれました。
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邸内はアールデコ様式、天井から吊り下げられた照明はどれ一つとってみても、丹念に装飾を施されたものでした。
室内の壁、床、柱、天井は年代も経っており、作品の展示はとてつもなく大変だったでしょうと感じられます。
住居なので、当然窓がたくさんあり、凹凸のある壁面にはしっかりとした展示のためのパネルが取り付けられています。
そんな環境の中、有元氏の作品は以前からそこにあったように融け込んでいました。
何層にも塗り重ねられた顔料は建物と同じくらい時を共に刻んできたようです。

朽ちた感じを額の虫食いふうにするまで造りこんだ作品たちは、趣のある邸内の重厚さと一緒になって、心にずっしりと響いてきます。

そう、展覧会の題名のとおり、天空からの音楽のように、静かに流れるように・・・。

前回のそれぞれの女性展での、有元氏の作品「雲の誕生」を覚えていらっしゃる方もあるかと思います。
9月5日まで開催中ですので、是非お薦めいたします。


テーマ : art・芸術・美術
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小さな夢美術館 美術館の旅

小さな夢美術館より美術館の旅の5回目です。

兵庫県立美術館で開催されていた展覧会です。
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一つは、麗子像を見る「Reiko」という展覧会です
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神奈川県立美術館と、兵庫県立美術館のコラボ企画ということでした。
もう一つの展覧会こそが本命です。
レンピッカという波乱の人生を送った超美人の女流画家の展覧会でした。
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残念ながら、7月で閉幕した展覧会ですが、巡回展ですので、どこかでまた巡り会えるかもしれません。
夏休みに神戸にいらっしゃる機会があれば建物だけでも是非ご覧になればと思います。
設計は安藤忠雄でした。

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小さな夢美術館 美術館の旅「山梨後編」

小さな夢美術館 美術館の旅第4回

山梨の旅の途中 どうしても訪れてみたい美術館がありました。
韮崎にあり、山々に囲まれた草原の中に燦然と立っていました。
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今回の展覧会のテーマは「描かれた花」     22.6oomu3

ここで、この美術館の成り立ちについて少し触れておきたいと思います。

日本における最初の女子専門美術学校として誕生したのが、現「女子美術大学」ですが、その理事長大村智氏によって蒐集された作品が収蔵されているのが、この韮崎大村美術館です。

色々ご縁があって、今回訪問することになりました。
日本を代表する女流画家たちによる芸術の饗宴といった趣です。

小さな夢美術館においては、画家が描いた女性像をご覧いただいていますが、韮崎においては女流画家たちによって描かれた花を多様な側面から見ることができました。

ここにも、「それぞれの女性」の持つ個性が、沸き立つようなエネルギーと共に伝わってきます。
堀文子、片岡球子、小倉遊亀、三岸節子、現女子美術大学学長佐野ぬいなど、溢れんばかりの情熱を注ぎ込んで描かれた作品群に圧倒されそうになりながら、100歳間じかの女流画家が描く画面の鮮やかな色彩に友と「ホーッ!!」と叫んでしまったのでした。
「年齢なんて関係ないわよッ!」と背中をどんと押された気がしました。

旅に出ると必ず元気がもらえます。

旅と共に美術との良い出会いがありますように。

テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
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プロフィール

yumebijutukan

Author:yumebijutukan
鳥取県米子市錦海町にある版画専門の個人美術館「小さな夢美術館」の情報ブログです。
展覧会情報、作家作品紹介、ギャラリートークなどをお知らせします。

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